☆独断と偏見に充ちた愛のエンタメ感想文☆
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企画はいいのよ、アスペクト…
メガネ男子
メガネ男子

一冊丸ごと、メガネ男子の本。
本来、立ち読みで十分なのになぜ買ったのかと言えば
阿佐スパ(阿佐ヶ谷スパイダース)の中山クンが載っていたから。
各界を代表するメガネ男子にインタビューしているのだが
このラインナップはどうやって決めたのだろうか?
   <役者の世界…中山祐一朗>
   <ロックの世界…青山陽一>
   <笑いの世界…おぎやはぎ>
   <落語の世界…春風亭昇太>
ものすご〜く意地悪な見方をすると
【“出版社の格”と“ギャラの交渉”が上手くマッチした人たち】
という印象を受ける。
だいたい、<笑いの世界>と<落語の世界>ってちょっとかぶってるし…。
編集部の苦し紛れのあとがうかがいしれます。
ただ、インタビューそれ自体は面白いです。
でも、それがいかにメガネと関係があるかというと…。
この本でいちばん大々的に謳っているのが
<決定保存版・メガネ男子名鑑>という
総勢120名のメガネ男子の写真つきプロフィールなんですが、
残念ながら、わたしのお眼鏡に適う目新しい男子は一人もいませんでした。
視力、メガネ歴、本数、使用ブランドなど、こと細かに語ってくれているので
素敵なメガネ男子ばかり載っていたら垂涎モノの企画だったと思うし、
この名鑑があるというだけで購入する価値はあると思うんですが…
ザンネン!!
その代わりといってはなんですが、コラムの執筆者は豪華デス☆
香山リカ辛酸なめこおおたうに、といった人びと。
ただし、それ以外のページは単なるメガネフェチ女の
井戸端会議どまりのお粗末な内容に終始しています。
完全に彼女たちの趣味の世界を本にしただけで、
メガネ男子の評論からはほど遠い内輪本。
もう少し客観的な視点が欲しかった。
或いは、くどいようだが素敵なメガネ男を120名集めてくれるか…。
企画がとてもいいだけにもっと大きな編プロが作ってくれれば、
かなりよい本が出来たでしょうに。
これに¥1365出すのはかなりビミョー。
ただし、中山クンのファンなら買いですっ!
| book | 00:42 | comments(7) | trackbacks(2) |
月曜日の日課
日本のスイッチ
日本のスイッチ
慶応義塾大学佐藤雅彦研究室, 佐藤 雅彦

毎週月曜日に時事問題から芸能・日常生活一般に関して
8問の問いが出題される。
これに携帯から参加するのである。
答えはすべて2択になっていて「はい」と「いいえ」のみ。
全問答え終わってから、自分の答えを送信すると
翌週にこの問いに答えた人たちの回答と自分の回答を比較することが出来る。
さらに8問全て同じ回答をした人が日本全国に何人いたかまで教えてくれる。
最初はiモードのみの対応だったが、現在は全キャリアで参加が可能。
本書はその結果を一冊の本にまとめたもの。
時事ネタはさすがに古さを感じるが、それ以外はなかなか興味深く楽しめる。
それより、なにより、私はこのスイッチを
記事を読んでいるあなたにも持ってもらいたい。
携帯サイトから毎日新聞にアクセスすると<日本のスイッチ>という項目がある。
そこからアクセスして下さい。
参加期間は毎週月〜水曜日。
結果は翌週の月曜日から見ることが出来ます。
結果を知ることで、世の中における自分の常識の尺度がわかります。
あまりに大勢だとちょっとがっかりし、
しかし、あまりに少なすぎると「私っておかしい?」とちょっと凹む…
月曜日は憂鬱ですが、コレが出来ることは私にとってワクワクです。
ちなみに一番、少ないときはまったく同じ回答をした人が
たったの8人だった…
常時45000人前後が参加中。
ぜひ、お試しあれ☆
| book | 02:02 | comments(4) | trackbacks(2) |
YOUNG YOU ’04.12月号
ヤングユー  創刊18周年記念号
 <読みきり大特集>と謳っているが、
 “読みきり作品”は以下の4本のみ。

  ●槇村さとる 『月下美人』
  ●石井まゆみ 『ヨーヨーキルト・フラワーズ』
  ●谷地恵美子 『召しませ花を』
  ●棒野なな恵 『君と会う朝の広場』
  
  ★渡辺ペコ 『蛇にピアス』/最終回
  ★東村アキコ 『ゑびす銀座天国』/最終回


最終回の2作品については単行本でレビューを書くとして
今回は読みきりの4作品について。

どの作品もベテラン作家の作品だけあって読み応えあり。
ただし槇村さとる『月下美人』は少々、消化不良気味。
連載モノばかり続いているので勘が鈍ったか?
40Pでは「アレ?」というところで終わってしまうようなペース配分。
読みきりというより、これから展開しそうな話。
石井まゆみ『ヨーヨーキルト・フラワーズ』はこれと正反対で
余計な部分がきれいに削ぎ落とされて読みやすく、
共感、感動できる作品に仕上っていた。
連載作品はどれも好きではないので、偏見を持って読み始めたが
素直に感動した。
恋愛絡みの話になると途端に下手くそになるのかもしれない…。
棒野なな恵『君と会う朝の広場』は少女時代からの友人2人の物語。
同年9月号掲載の『月の見えるテラスで』のサイドストーリーでもある。
負け犬に近づいていく状況で戸惑う大人の女の気持ちを、
少女のスタンスから、あまり理屈っぽくならず、
かといって卑屈になりすぎもせず、うまく表現している。
連載モノではやや哲学的というか、小難しすぎるところが
時に鼻につき、そこが難なのだが、この読みきりでは
そうしたところが表面化する直前で笑いに変えているところがよかった。
最後に谷地恵美子『召しませ花を』は久びさにとても気に入った読みきり。
学生時代に悔いを残した片思いの恋の相手と偶然再会を果たしたヒロインが、
玉砕覚悟で募った思いをぶつけるところから物語ははじまる。
今度こそ悔いのないようにと精一杯頑張る現在のヒロインの姿と
ただひっそりと想うだけだった頃の思い出のヒロインの姿が
35Pという限られたページ数のなかでうまくブレンドされている。
ラストは不自然にならずに2人の距離を急に狭めた手法に唸る。
切り取り保存決定◎
| magazine | 02:05 | comments(4) | trackbacks(0) |
『電車男』全11話 視聴終了
電車男 ドラマ

突っ込みどころも、穴も満載だけれど
見終わった今、とても清々しい気分だ。
“これは事実をもとにしたフィクションです”という言葉で
全てがうまく煙に巻かれたような気もする。
いろいろ書きたいこともあるけれど、語れば語るだけ野暮というものだろう。
“ネット”という虚と実の境界線で繰り広げられた物語の感覚が
きちんとそのままの形でドラマに活かされていたと思う。
ラストに近づくにつれ、私もAちゃんねるの住人として
ロムっているような気分になったくらいだ…。
だからこそ、1000スレへのカウントダウンは、結構、胸にじ〜んときた。
白石美帆はずっと嫌いなタレントだったが、
陣釜サンは最高にイイ味出してて好きだった。
豊原功補のいつもは鬱陶しいインチキ臭さも、
桜井というキャラには欠かせなく、毎度のセコさに大笑いさせてもらった。
エレクトリック・ライト・オーケストラの『トワイライト』といい
CCBの『ロマンティックが止まらない』といい、
その選曲の素晴らしさにも拍手を送りたい。
最終回でマチルダさん役の戸田恵子まで出してくるなんて
本当に遊び心に富んだ、ヲタが泣いて喜ぶ演出が盛りだくさん!
「こういう大人のお伽噺があってもいい」、そう納得できる作品だった。

電車男 DVD-BOX
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2005年12月22日発売予定(予約受付中)

電車男
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中野 独人 原作はこちら。
| drama | 23:56 | comments(36) | trackbacks(18) |
『女王の教室』全11話 視聴終了
女王の教室

内容が過激すぎて、イメージダウンにつながりかねないので、
オープニングタイトルロールから企業名を外して欲しいと
スポンサーからクレームをつけられたり、
一部のエピソードが、ある著作物(『永遠の出口』森絵都/著)の
内容と酷似しているとの指摘を受けるなど、
さまざまないわく付きドラマだったが、
ここではそういったことはとりあえず脇に置いておき、
純粋に作品だけの感想を書こうと思う。

まさにタイトルそのものずばりのドラマだった。
『女王の教室』
…昔の小学生にとって教室における先生とは絶対的な存在であった。
絶対的な権限を持っている、恐怖の対象となりうる存在。
もちろん体罰(今でいうところの)も日常茶飯事のように行われていた。
しかし、当時の子どもたちはそれを特別なものとは受け止めていなかった。
なぜなら、小突かれたり、ぶたれたり、蹴られたりすることに、
慣れっこだったから。
子どもたちにとって叱られることは日課で、
先生や、世の大人たちにとって、叱ることは日課であった。
阿久津先生の教育方針には確かに極端すぎるところが
多々、見受けられた。
しかし、教師としての在り方は正しかったと思う。
子どもはまだ人ではない。
動物の進化形に過ぎない。
それを両親や先生など、周りの大人たちが
20年という歳月をかけて人にするのだ。
人に成ると書いて成人。
悪いことを悪いと教えるために罰を科す。
それを自信を持って実行できる大人が今の世の中にどれだけいるだろう?
確固とした教育哲学を持って、常に真正面から生徒に向き合える先生が
今の世の中にどれだけいるだろう?
サラリーマンは常に同僚や上司の機嫌を伺うことで、
潤滑な会社生活を送っていく。
しかし、教師の向き合うべき相手は、
保護者や校長や教育委員会などのお偉いサンなどではない。
生徒ひとり、ひとりである。
それが他の先生との対比により、実にはっきりと描き出されていた。
この作品は現在の教育現場、ひいては社会における警鐘のように思えた。
もっとも不幸な被害者は、悪いことを悪いと教わらぬまま、
社会に放り出されてしまう子どもたちなのだ。
“仰げば尊し”は生徒に先生を尊敬しろと強要する歌として
今は歌われなくなった、という和美の母のセリフがあったが、
私は、小・中・高とも卒業式でこの歌を歌った。
通っていたのはいづれも公立の学校である。

        仰げば尊し わが師の恩
        おしえの庭にも はや幾年
        思えばいと疾し この年月
        いまこそ分かれめ いざさらば

今でも、3番まできちんと諳んじられる。
だが、3学年下の妹は小学校の卒業式でこの歌を歌わなかったという。
彼女はその後、エスカレーター式の私立校に進学し、
卒業式にはこの歌が歌われたらしいが、
果たして同級生で公立に進んだ子はこの歌を歌ったのだろうか?
どうやら日本の教育がおかしくなりはじめた
ターニングポイントに私はいたようだ。

話がわき道に逸れたが、
アクマと呼ばれる鬼教師、阿久津真矢役を演じた天海祐希は
その丹精な顔立ちと凛とした佇まいに、教師としての強い意志を封じ込め、
ラストのわずかな微笑みを見事に視聴者の胸に焼き付けたと思う。
また生徒役の神田和美を演じた志田未来の瞳の強さには
毎回、心惹かれるものがあった。

最終回を見終えてから、

「私は大人のひとりとして
 子どもたちに胸を張れるような生き方をしているだろうか?」

と、自問自答を繰り返す毎日である。

女王の教室 DVD-BOX
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2005年12月21日発売予定(予約受付中)

女王の教室 The Book
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日本テレビ 公式ガイドブック発売中。
| drama | 20:11 | comments(21) | trackbacks(14) |
『いま、会いにゆきます』全10話 視聴終了
いま、会いにゆきます 原作を読んだわけでもない。
 映画も観ていない。
 ネタばれもしていない。
 なのにまったく感動できなかったのはなぜ?


確かに、全てのタネあかしをされたときは驚いた。
しかし、それは「なるほど!」という単純な驚きのみで
そこに何かしらの感動、或いは感慨という感情は皆無だった。
ストーリーが悪いわけでも、脚本が悪いわけでも、
演出が悪いわけでもない。
事実、主演のミムラは今までテレビドラマで演じてきた
どの役よりもきれいだったし、
梅雨あけを象徴する、雲の動きや空の色、紫陽花の花びら、
目に鮮やかな風景の色などは、素晴らしく美しかった。
記憶を全て失って過去からやってきた澪が、
少しづつ佑司の母として母性に目責め、巧に心惹かれるようになる様は、
回想シーンを挟みつつ、とても丁寧に描かれていたと思う。
…なのに、それなのに、なんで感動できないのっ!?
私が人でなしなのか?
いや、責任は俳優陣にあると思いたい。
セリフが少しもこちら側に届いてこないのだ。
心の中に入ってこない。
泣けると思って見ていたのに、泣けないというのは
なんだか結構、損した気分だ。

いま、会いにゆきます DVD-BOX
いま、会いにゆきます DVD-BOX
2005年12月23日発売予定(予約受付中)

いま、会いにゆきます
いま、会いにゆきます
市川拓司  原作はこちら。





いま、会いにゆきます スタンダード・エディション
☆いま、会いにゆきます スタンダード・エディション
「竹内結子と中村獅童の映画版はどうなのだろう?」
自分が人でなしなのか、それとも役者が悪いのか、
どうしても確かめてみたくなった。
2時間モノであろうと、10回モノであろうと
岡田惠和が潤色に加わっている以上、そこは問題ないと思うので。
本当は同じ役者がドラマをやってくれるのが、いちばん分りやすいのだけど。
| drama | 00:51 | comments(18) | trackbacks(16) |
『恋する日曜日』
恋する日曜日 プレミアムDVD-BOX
恋する日曜日 プレミアムDVD-BOX

2003年4月からBS-iで放送され、その後、深夜に地上波でも再放送された、
'80年代の隠れた名曲をモチーフに展開される、全26話の連作ラブ・ストーリー。
この年代の音楽が良質だったのと同様、
ドラマのほうも、どれをとっても非常に良く出来ている。
現在は2ndシリーズを毎週日曜、23:00〜23:30の枠で放送中。
わが家ではBS-iの視聴は出来ないので、再放送を心待ちにしているところ。

このプレミアムDVDには、チャゲ&飛鳥、角松敏生、今井美樹、岡村孝子、
吉田美奈子などの名曲がモチーフになった8作の恋愛ドラマを収録。
それぞれの物語の監督は、映画「世界の中心で、愛をさけぶ」の
行定勲監督をはじめ、利重剛、若松孝二、麻生学、鈴木浩介、安藤尋などの
日本映画界を担う新鋭監督たち。
さらにキャストも内山里名、黒谷友香、石田えり、坂井真紀、北村一輝、
小山田サユリなどの豪華ラインナップが勢揃い。
視聴率がドラマの質を大きく左右する地上波のドラマ枠では、絶対に見られない、
どこまでもハイ・クオリティを追求したラブ・ストーリーの幾つかを
このような形で視聴できる機会を得られることは喜ばしい。
ドラママニア必見の一作。
特典として、各ドラマの主題歌が一枚のコンピレーションCDとして
付いてくるのも魅力的。

ゆらゆら ~南Q太セレクション
ゆらゆら ~南Q太セレクション

またこの番組では多数の南Q太作品をドラマ化しており、
その作品だけを集めたDVDも発売中。
映画「さよならみどりちゃん」の古厩智之監督作品を
堪能したい方にはこちらがおススメです!
| drama | 17:08 | comments(0) | trackbacks(1) |
『ドラゴン桜』全11話 視聴終了
ドラゴン桜
 「バカとブスこそ東大へ行け!」
 の決め台詞が板についていた阿部チャン

原作に対する予備知識が何もなかったため、
単純に最初から最後まで楽しめた。
それは<現役東大合格>という明確なゴールが予め定められていたからだろう。
こうしたドラマのセオリーとして、まともに全員合格するはずがない。
いったい誰が受かって、誰が落ちるのか?
その予想が当たるか、外れるか?
実も蓋もない言い方をしてしまえば、競馬を見るのと同じ感覚で視聴していた。
全11話はレースのゲートインからゴールまでのようだった。
だからこそ、1話も欠かせなかったし、毎週の放送がとても楽しみだった。
私の予想は見事に外れた。
今回、秦建日子の脚本は、恣意的にドラマ性を極力排除し、
視聴者をレースに集中させることのみに尽力したと思う。
もう一度見たいかと問われれば、NOと即答するが
(私にとって結果の分っている試合を見るのは退屈なことなので)、
とりあえず一度は十分、楽しめるドラマであった。

ドラゴン桜 DVD-BOX
ドラゴン桜 DVD-BOX
2005年12月22日発売予定(予約受付中)

ドラゴン桜 (1)
ドラゴン桜 (1)
三田 紀房  原作はこちら。
| drama | 17:19 | comments(10) | trackbacks(14) |
イサム・ノグチ展に向けて
イサム・ノグチ生誕100年
イサム・ノグチ生誕100年

イサム・ノグチの仕事がひと目でわかる、入門書としては最適の一冊。
大判の写真が多く、ただパラパラとめくっているだけでも楽しい。
その分、文字情報が少ないので、彼の人となりを知りたい人には物足りないかも。
そんなあなたには下記の本をオススメ!

イサム・ノグチ〈上〉―宿命の越境者
イサム・ノグチ〈上〉―宿命の越境者

ドウス昌代による、6年に渡る取材の末に完成したイサム・ノグチの評伝。
講談社ノンフィクション賞受賞作。

イサム・ノグチについてあまり知識のない人は
まず、まっ白な状態で作品と向き合って。
それから、これらの本を読み、同じ作品をもう一度見てみて下さい。
きっと、ひとつひとつの作品が持つ奥深さに
大きな感動を覚えるはず。
| art | 01:57 | comments(4) | trackbacks(2) |
新聞小説
四つの嘘
四つの嘘
大石 静

2004/7/1〜12/31まで産経新聞に連載された著者初の新聞連載小説。
現在は来年の大河ドラマ『功名が辻』を執筆中。

それまで私は新聞の連載小説は飛ばし読みをしていた。
が、この時、大石静が書き下ろすのであれば!と、
自分も新聞連載小説“読者”デビューを果たした。
感想は「結構、悪くないかも」。
その理由は以下のとおり。
毎日、少しづつしか掲載されないのでまとまった時間を確保する必要がない。
新聞に連載されているので、ツン読状態になる可能性が低い。
途中でダレても、「明日は」という希望のもと、読み進めることが出来る。
結果、完読が容易である(努力をほとんど要さない)。

物語はニューヨーク・スタッテン島で起きたフェリー事故に始まる。
乗っていた女性の一人はニューヨーク在住の美波。
41歳の彼女と、東京に住む同じ年の満希子、詩文、ネリの4人には
ある共通項があった。
みな同じ私立有名女子高の同級生だったのである。
過去と現在を行ったり来たりしながら、物語は進み、
徐々に4人の関係が開かされていく。
青春時代を共に過ごした女たちの、4人4様のその後。
そしてお互いがお互いに覚える嫉妬心。そこから生まれる嘘。
大石静の心理描写は実になまなましく、
目をそらしたくてもそらせない、真実がそこにはある。
新聞の方では、事故の真相は闇の中に葬られてしまったが、
今回の出版にあたり加筆したらしいので、
ちょっと立ち読みしてみようかなぁ・・・と。

余談だが、この頃から産経新聞は文化面にかなり力を入れるようになった。
今年前半は秋元康の『象の背中』、
今現在は宮部みゆきの『楽園』を連載している。
そして、私は熱心な新聞小説愛好家となったのであった。
| book | 00:37 | comments(6) | trackbacks(2) |