☆独断と偏見に充ちた愛のエンタメ感想文☆
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古厩監督ファンに告ぐ!
小栗旬 First Stage
小栗旬 First Stage

小栗クンは実力派で、好きな若手俳優のひとりである。
だが、この本で私がもっとも注目したのは、
『タイタス・アンドロニカス』のイギリス公演密着記事でもなければ、
「小栗旬報」の再録でもない。

この本には、なんとあの『ロボコン』の
古厩智之監督のインタヴューが載っているのだ。
ちょっとした『ロボコン』裏話。
だが、記事を読むと、「なるほど・・・」と思うことのオンパレード。
もう一度、『ロボコン』を見直してみたくなること間違いなし!

見開き2Pしかないので、立ち読みでもじゅうぶん(暴言)。
古厩映画(監督)大ファンの私はもちろん買いましたがw

ロボコン
ロボコン
| film | 00:55 | comments(2) | trackbacks(0) |
Foever River
リヴァー・フェニックス―翼の折れた天使
リヴァー・フェニックス―翼の折れた天使
ジョン グラット

去年のこの日も書いたと思うが、私にとってハロウィンナイトは
Riverの命日にほかならない。
今回、紹介する本は貴重な一冊。
キネマ旬報社からいったん発売されたものの、その後、絶版扱いとなり、
彼の死後10年を機に復刻が決定になった本である。
本書の特徴は、Riverと親しかった人びととのインタビューにより
彼自身を浮き彫りにしていくという手法をとっている点である。
全318ページ。
彼を忘れることは、私には生涯ムリだろう。
最初に彼の訃報を知ったときの私の一声は
「日本の役者100人を差し出すから、どうか彼を帰して欲しい」だった。
今さら言っても仕方のないことは百も承知の上でいうが、
もし、彼が生きていたら、今ごろ、どんな役者になっていただろう・・・
警察に「Help!Help!!」と涙声で電話をかけて訴える、
彼の弟の声が、今も私の胸の中から離れない。
| film | 20:38 | comments(2) | trackbacks(0) |
『黒い家』
黒い家
黒い家

怖い。マジで怖いッ!
昨今のホラー映画なんて目じゃあない。
もともと霊感がまったくない私にとって、
理屈で説明できない超常現象的恐怖は所詮ファンタジーの域を越えず、
どんなに他人が怖がろうと、自分にとってはまったくどうってことのない作品ばかり。
だが、生きている人間は怖い。
物語の最初は、のどかな田舎町の生命保険会社に勤める一サラリーマンの
どこにでもある平凡な日常生活が、ただただ綴られるだけである。
しかし、彼はある日、一人の少年の首吊り自殺事件に遭遇し、
その保険金支払いについて疑問を抱いてしまう。
それが、平凡な日常にぽっかりと口を開けている落とし穴だとも気付かずに。
そして、少年の両親の過去と関わりはじめることで、
ずっぽりと非日常の世界に飲み込まれていくのである。
生命保険会社のサラリーマンと、少年の両親。
同じ種であるはずの人間どうしが、
この作品では違う種類の生物として描かれている。
この作品に出てくる人間は、人といってもサイコパス、言うなればモンスター。
なんといっても、大竹しのぶが、怖い!
怖すぎる〜〜〜!!
それに輪をかけて、森田芳光監督の撮り方も怖い。
118分という時間がとてつもなく長く感じられ、
何度「早く終わってくれ」と思ったことだろう。
冒頭で、退屈になるくらい、平凡な日常を見せられているだけに
自ら事件に首を突っ込んで、ずぶずぶと深みにはまっていく
サラリーマン若槻の姿は、とてもリアリティがあり
死んだ人間より、生きてそこに存在している人間のほうが、
はるかに現実的で、怖い…と思ったのだった。
しかも、この作品、終わりかたもはっきりしない。
見終わっても、少しも安心できないのである。
原作は貴志祐介の同名小説だが、映画は単なるホラーである。
ホラーとして怖い。
原作の持つ、深みはまったくない。
ただ、怖い。
しかし、ホラーとは怖ければそれでいい。
そこに深みなど不要というのが自論である。
深みが出た時点で、怖さは恐怖に変化する。
恐怖はまったく怖くない。
| film | 00:25 | comments(2) | trackbacks(1) |
『あのころ僕らは(Don's Plum)』
あのころ僕らは
あのころ僕らは

若き日のレオナルド・ディカプリオが友だちの自主制作フィルムに出演した作品。
残念ながら上演される機会がなくお蔵入りしていたのだが('95制作)、
『タイタニック』で彼が一躍有名になった途端上映が決まり、
若気の至りで出演したような作品を、
いまさらひと目にさらしたくなかったレオが公開に大反対、
というすったもんだがあった作品。
実際、初公開されたのは2002年。
今は単なるオッサンになってしまったレオのシャープな輪郭が若々しくてよい。
トビー・マグワイアも共演しているのだが、彼はまだ坊やな感じ。
で、肝心の話のほうはどうかというと、
単にダイナーにたむろして、一晩中、くっちゃべっているだけの若者を、
特に凝ったカメラワークがあるわけでもなく、とにかく回して撮っているだけ。
よくいえば、いかにもインディーズの実験作品ぽい。
だが、この作品、実は私は結構、好きだったりする。
実のない話を延々フィルムに収める、ということにむしろ意味をおぼえたりする。
実のない話が、リアリティを生みだす…という感じか?
アメリカのダイナーも日本のファミレスも
おんなじような若者の吹き溜まりなんだなぁ…なんて。
レオが終始どうでもいいことをしゃべり続けるのだけど、
その内容が悪ガキの憎まれ口という感じでとてもよい。
みんながダイナーに集まって話しはじめてから5分で
「つまらん」と思った人は、時間のムダなので
それ以上見ないことをオススメする。
その5分が延々90分続くだけの作品なので。
逆に
「このダベリングが心地いい」
という人もきっといるはず、と私は信じている。
| film | 01:27 | comments(2) | trackbacks(0) |
『ムーンライト・ジェリーフィッシュ』
ムーンライト・ジェリーフィッシュ 完全版
ムーンライト・ジェリーフィッシュ 完全版

脚本が悪いのか、キャストが悪いのか、どこまでも薄ら寒い作り物感が漂う。
両親を早くに亡くした兄・セイジ(藤原竜也)は、
難病の弟・ミチオ(木村了)を抱えて暮らすために、
新宿歌舞伎町で暴力団組員として、日々、危ない橋を渡るような暮らしをしている。
今日という日しか見ない刹那的な生き方をすること以外考えられないセイジ。
だが、看護士・ケイコ(岡本綾)との出会いにより、
はじめて心の中に明日という希望の光がさしてくるのだが…。
勘のいい人なら、このあらすじを読んだだけで、
おおよその結末が想像出来るだろう。
その予測を見事なほど裏切らないストーリー展開。
難病の弟、暴力団、看護士との恋愛、と物語の核になる要素がテンコ盛りすぎて
「二兎を追うもの一兎をも得ず」の格言どおり、
どれひとつとしてまともに描ききれてはいない。
すべての要素の、おいしい話に持っていけそうなところだけをピックアップして、
つぎはぎしたようなストーリーと白々しいセリフ。
藤原竜也が、暴力団の若手幹部という設定自体、どう頑張っても無理がある。
それだけでこの物語の大半はすでに破綻をきたしている。
ただ、物語の設定上、この作品には、月夜のシーンが異常に多く、
またそれが、とても美しく、幻想的に撮れている。
「物語なんてどうでもいい」
そんな風に思えるほどに、この作品に出てくる、夜の街に浮かぶ月はうつくしい。
今日は夏至。
これからだんだん夜が長くなる。
月の美しい夜の街を見たくなったら、この作品を観るとよい。

月

天野月子

天野月子が歌う主題歌『月』もオススメ。
| film | 23:57 | comments(0) | trackbacks(0) |
『約三十の嘘』
約三十の嘘 特別版
約三十の嘘 特別版

ある詐欺師5人のチームが寝台特急に乗り込んだ。
ところが、このチーム、仲間に現金を持ち逃げされた過去を持ち、
一度は解散していた。
その持ち逃げ犯のひとりと思しき人物である今井(伴杏里)が
途中乗車してきて、チームに参加することになってから物語は転がりはじめる。
詐欺は見事に成功し、現金は手に入るのだが、
その騙しとった現金が、またもや列車内でなくなってしまうのである。
犯人はいったい誰なのか?
犯人探しになぞらえて、交錯する6人の人間模様。
そして過去の清算。
列車という密室で起こった出来事をこの6人の会話だけで成立させていく。
過去のトラブルから立ち直れず自信をすっかり失ってしまった
リーダー・志方(椎名桔平)、
美人で気の強い女詐欺師・宝田(中谷美紀)、
チームが解散してから飲んだくれている若手・佐々木(妻夫木聡)、
人はよいがどこか頼りない新リーダー・久津内(田辺誠一)、
宝田と現在チームを組んでいるお調子者の横山(八嶋智人)、
持ち逃げ犯の片棒を担いだ疑いのあるグラマーな女の子・今井(伴杏里)、
詐欺師同士の騙し合いの裏には、恋愛の駆け引きも含まれていた。
…と、書くととても面白い作品のように思えるだろうが、
「別に映画にする必要ないじゃ〜ん」というのが素直な感想。
調べてみたら、原作は案の定戯曲であった。
役者たちはそれぞれ、キャラのよく立った演技をして飽きることはなかったが、
映画的要素がひとつもなく、なぜこれを映画にしたのかがまったくわからない。
観ても特に損はないし、とりあえず一度は楽しめるが、
これだけ豪華なキャストを集めておきながら、映画作品として
まったく機能していないのは、それこそ詐欺のような話だ。
ちなみに“約三十の嘘”の意味は劇中で志方が教えてくれる。
よい話なので、この作品を観る際はくれぐれもお聞き逃しのないように。
| film | 23:24 | comments(0) | trackbacks(0) |
『ドラゴンヘッド』
ドラゴンヘッド
ドラゴンヘッド

賛否両論あると思う(否、評価しない人のほうがおそらく多いだろう)が、
わたしはこの作品が好きである。
原作のマンガをすでに読んでいたので、
はたしてこの膨大なスケールの作品をどう2時間という尺で収めるのか?
というのが、もっとも興味深いところであった。
結果、作品のコアとなる要素以外は潔いほどまでにすべてバッサリ切り捨てて、
主人公のテルとアコがひたすら何もわからぬまま荒野を歩き続けるだけ、という
実も蓋もないいい方をすると「駄作」のような作品になった。
が、本作は“駄作のような作品”であっても、決して駄作ではない。
何を残すか、という点で、原作のモチーフだけを忠実に伝えるために、
数え切れない重要なエピソードを中途半端に残し、
体裁を整えた辻褄合わせのストーリーを作ってお茶を濁すことよりも、
ためらいなく全てを捨てることを選択した結果こうなったからだ。
そのため、映画版では、原作よりも、そのモチーフが鮮やかに際立っている。
そして、もっとも大切なのは、
この映像が、飯田譲治監督ならではの世界観で作られている、という点にある。
『 NIGHT HEAD 』シリーズが好きな人には楽しんで観てもらえるだろう。
まぁ、大多数の人にとっては不親切で退屈なだけの作品かもしれないけれども。
| film | 21:50 | comments(2) | trackbacks(0) |
『着信アリ』&『着信アリ2』
6/24にFinal(3本目)が公開されるということで、
「そこまで人気のあるホラーとは、いかなるものか?」
と興味本位で観てみた。

着信アリ(通常版・2枚組)
着信アリ(通常版・2枚組)

1作目はホラー映画の定石をきちんと踏襲し、
少しも怖くはなかったが、とりあえず及第点には達していたと思う。
「もう終わりかな?」と思ってからの、
これでもか!というくらいしつこすぎる
ドンデン返しの連続も個人的には好き。
おそらく作品の1/3くらいはこのドンデン返しに使われていたのではないか?
自分の死を予告された、柴咲コウ演じる、由美が、
同じ状況で死んだ妹を持つ、堤真一演じる、山下と出会い、
タイムリミットのある謎解きをはじめるところまでは
単なる序章と呼んでも差し支えないだろう。
現代人にとって、もはや切っても切り離せない“携帯電話”というツールを使い
死の予告電話がかかってくる、という都市伝説的な本線を全面に出しつつ、
児童虐待という、やはり現代ならではの事象を伏線にして、
“霊”という非論理的な出来事を、論理的に推理していく過程は
ホラーというより、むしろサスペンスとして楽しめる。
そして最終的にはきちんと辻褄が合って終わっているところが見事。
何より、ラストシーンの曖昧さが、素晴らしい。
美しい青空と、どちらにもとれる由美の笑顔の美しさ。
この画が撮れるのは三池崇史監督ならでは!だ。
そのストーリーもさることながら、
三池監督の演出力と、堤、柴咲両氏の演技力の秀逸さを持って
この作品は圧倒的勝利を収めた、というところだろうか?

着信アリ2
着信アリ2

2作目はとりあえず1作目の続きとして作られているのだが、
これが裏目に出た。
曖昧に終わらせておいた1作目のラストを引き継いで、
話を拡大させたのはよいが、これがとんでもない大風呂敷を広げたもので、
なんと舞台が台湾まで飛んでしまうのである。
ストーリーは納得のいかない不完全なままラストを迎え、
to be continued…と、入れたいくらいである。
1作目に比べ、監督、出演者ともに力量不足で、
正直「作らないでほしかった」
この作品は単なるFinalの布石という感じ。

3本とも観るつもりがある人は、2を観てもよいと思うが
そうでないならば、1本目のみを単品として鑑賞したほうがよいと思う。
いったいFinalで、どんな結末を用意しているのかは分からないが、
2本連続で観た私の率直な感想である。
| film | 23:45 | comments(2) | trackbacks(2) |
『リング0〜バースデイ〜』
リング0〜バースデイ〜
リング0〜バースデイ〜

「なんじゃこりゃーーーーっっっ!!!」
と叫びたいほどひどかった。
なぜ最後までホラーをホラーのままにしておけなかったのか?
何もかも明らかにすればいいってもんじゃない、というよい見本。
“貞子は貞子”、不気味で怖い存在のままにしておいてくれた方がよかった。
“貞子”という名前自体が、もう既に怖いモノの象徴として
ひとり歩きしていた…それでホラーとしては大成功だと思うのだが。
「呪い」に意味を持たせる必要性が本当にあったのか?
そしてそれは正当化されたものでなくてはならなかったのか?
シリーズ化しておいて、最後のオチがこれだと、
ちっとも前の2作が怖くなくなっちゃうんですけど。
つまりホラーとしては、「最後の最後で大コケした」ということ。
ひょっとしたら、原作に忠実になりたかったのかも知れないが、
小説と映画はまったく別な媒体で、『ループ』は所詮作れないのだとしたら
こんなお涙ちょうだい的、且つ、ありがちな話で完結させてよいハズがない。
もし、どうしても作りたかったのなら、
本筋には支障のない、DVD-BOXの特典映像として、
サイドストーリー的な扱いをすれば良かったのでは?
と、それくらい、この作品だけ、完璧に色が変わっちゃってるんです。
それでももっと話が凝っていれば、まったくの別モノとして楽しめたのだろうが
今どきTVの2時間ミステリーでも、もっとマシな話を書くよ、
というくらいの困ったちゃんなデキ。
ブレイク前の仲間由紀恵を堪能したい方にのみ、オススメします。
が、田辺誠一ファンはムリです。
残念ながら、そんなに出番も見せ場もありません。
ちなみに私は後者に釣られて観た人間です。
| film | 00:38 | comments(2) | trackbacks(0) |
『リング』&『らせん』
映画公開時、2作同時上映だったのと同じように、
どうせ観るなら、2本続けて観るのがオススメ。
…というか、それが正しい見方なのでは?と思う。
この2作は同一の事件を別の観点から見直している作品だからだ。
動の『リング』と静の『らせん』とでも表現すればよいだろうか?
『リング』では非科学的見地から、解かれた謎が
『らせん』では科学的見地から、説かれている。
もとの小説では、この作業を『リング』1作でやってのけたのだが、
映画化するにあたり、超能力者を登場させてしまったがゆえに、
『らせん』の原作エピソードを交えて、
より『リング』の世界観を原作に忠実なものにするため、
『らせん』は作られた、という感がある。
『リング』の続編というより、2本合わせて『リング』と思うのが正解かと。
こういうことを言うのはナンセンスだと百も承知だが、
映像版は、原作の怖さや深みには足元にも及んでいない、
と書かずにはいられないくらいの出来。

リング
リング

監督は中田秀夫。
『回路』はこの作品のネット版、『着信アリ2』はケータイ版。

らせん
らせん

監督は飯田譲治。
得体の知れない、不吉な空気感と未来への漠然とした恐怖感、
この2つの要素は『NIGHT HEAD』や『ドラゴンヘッド』にも共通している。
| film | 16:46 | comments(0) | trackbacks(0) |